赤ちゃんの育て方・お世話の仕方に正解はありませんが、最低限やっておいたほうがいいことや、できる限りやってあげたいこと等はあります。

ここでは新生児期の赤ちゃんのお世話の仕方に絞って書いています。

最低限やってあげること

これはやってあげないと、赤ちゃんの健康状態に異常をきたすものをあげています。これらのことは最低限やってあげましょう。

赤ちゃんが泣いたら

まず、

  • オムツは汚れてないか
  • 体温はどうか(お腹が冷えてないか、暑くて汗をいっぱいかいてないか)
  • お腹はすいてないか(母乳をあげて飲むか、前回のミルクから3時間程度経ってないか)

を確認し、対応します。

それらがすべてクリアされている場合には、抱っこしてあやしてあげましょう。

体温調節

暑すぎず、寒すぎずを維持する

夏であれば、25〜28℃くらいが適温です。冷房を使用して、適温に保ちましょう。

冬であれば20℃くらいが適温です。暖房を使用して、適温に保ちましょう。

ただし、冷暖房の風が直接赤ちゃんに当たらないようにし、1日に1回は換気しましょう。

また湿度は40〜60%程度に保つようにして、必要であれば加湿器等を使用しましょう。

季節に応じた服を着せる

赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、季節や室温に応じた服を着せて、ちょうどよい体感温度になるようにしてあげましょう。

春・秋短肌着とツーウェイオール
コンビ肌着またはツーウェイオールのみ
短肌着またはコンビ肌着とツーウェイオール

外出は1ヶ月検診を終えてから

1ヶ月検診で問題がなければ、外出することができます。それまでは外出は控えましょう。

ただし、冬の寒い時間帯、夏の暑い時間帯は避けるようにしましょう。

また、いきなり長時間の外出は避け、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ慣れさせるようにしましょう。

授乳

母乳の場合とミルクの場合で、消化時の負担が異なるため、あげ方も異なります。

タイミングは同じで、赤ちゃんが起きて、オムツを替えた後にあげます。

授乳が終わったら、ゲップをさせます。

母乳

母乳の場合は、赤ちゃんが欲しがるときにあげます。

最初は母乳の出が悪いので、足りない分をミルクで補うこともあります。

足りないかどうかは、母乳の量または赤ちゃんの体重の増え具合を見て判断します。

ミルク

粉ミルク、または液体ミルクをあげます。

前回の授乳から3時間くらい経っていれば規定量を与え、時間が短ければ、それに応じて量を減らします。

分量は各メーカーのミルク缶にも書いてありますが、生後2週目までは80ml、生後2週目から1ヶ月は120mlくらいが目安です。

ただし、いきなり規定量あげるのではなく、生後1日目は10ml、2日目は20mlのように、徐々に増やしていきましょう

ミルクの作り方と注意点

母乳とミルクの混合

母乳で足りない分をミルクで補う、夜は腹持ちのよいミルクにする等、いろんな意図で混合にする場合があります。

できるだけ母乳を飲ませてあげたほうがよいので、両方同時にあげる場合には母乳から先にあげたほうがよいです。

オムツ替え

赤ちゃんが泣いたら、まずオムツをチェックします。

おしっこをしていると、お尻の真ん中あたりに青い線が出るものが多いので、出ていたらオムツを替えてあげます。

ウンチの場合は、匂いを嗅ぐか、オムツの隙間からちょっと見て判断します。

【新生児】テープタイプオムツの替え方と注意点
オムツサイズアップ・パンツタイプへの移行の目安

便の状態もチェックする

便の色は、産後2、3日は胎便といって、緑黒いネバネバしたしたものがでます。

それ以降は黄色っぽい便になります。新生児の間は、母乳やミルクの脂肪分等が白いつぶつぶになって出てきたります。

【新生児】赤ちゃんの正常な便・心配な便

沐浴

沐浴は1日1回、できれば昼間の暖かい時間帯にやるようにします。

生活リズムを崩さないように、遅くとも夜8時までには入れてあげましょう。

【新生児】沐浴のやり方と注意点

寝かしつけ

新生児の赤ちゃんはまだ、一人でうまく寝れません。

オムツを替えて、授乳が済んだら、抱っこして寝かしつけてあげます。

赤ちゃんによって効果のある寝かしつけは違ったりしますので、色々試してみましょう。

ここまでは、1日の中で基本的に必ずやることをあげました。

ここからは、できる範囲でやってあげたいことをあげていきます。

できる限りやってあげたいこと

これから書く抱っこや語りかけは赤ちゃんの安心感や自己肯定感を育むために必要なことです。

ただ、産後1ヶ月は母体が回復中で体力的にきつかったり、他のことをするために赤ちゃんのすべての要求に答えられないこともあります。

なので、これらはできる範囲でしてあげたいことです。

抱っこ

赤ちゃんは抱っこされることで安心します。

基本は泣いたら抱っこ

赤ちゃんが泣いたときは、オムツ、母乳(ミルク)、体温を確認し、どれも問題なければ、抱っこしてあげましょう。

抱っこができない場合には「今ミルク作ってるからちょっと待ってね」等、声をかけてあげましょう。

語りかけ

新生児の頃は赤ちゃんはこちらの言っていること自体は理解できません。

でも耳はちゃんと聞こえているので、声をかけてもらうことで、自分が放っておかれていないと感じることができます。

なので、赤ちゃんにできる限りいっぱい声をかけてあげましょう。

声をかけながらお世話をする

オムツを替えるときには、「はい、オムツ替えるよー」と声をかけ、おわったら、「きれいになってさっぱりしたねー」等、声をかけながらお世話をしてあげましょう。

授乳や沐浴のときも同様です。

声を出せないとき以外はできるだけ、声をかけながらお世話をしてあげましょう。

お世話をする側も、声をかけながらやるほうが、黙ってやるよりも、気持ちよくお世話をしてあげることができます。

すぐにできないときも声だけはかける

赤ちゃんが泣いているけど、今ミルクを作っていたり、別のことをしていて手を離せないということはあると思います。

そういうときにも、ひと声、「今ミルク作ってるからちょっと待ってね」と声をかけてあげることで、赤ちゃんは(泣き続けるでしょうが)放っておかれてないと感じることができます。

なので、すぐに答えてあげられないときにも、できる限り声はかけてあげましょう。

気をつけてあげること

乳幼児突然死症候群(SIDS)

日本でも1年間で61名の乳幼児が乳幼児突然死症候群で亡くなっています(2018年人口動態統計)。

乳幼児突然死症候群の原因はまだはっきりわかっていませんが、以下の4つを気をつけることで、その発症率を下げることができることは知られています。

  • 仰向けで寝かせる
  • タバコをやめる
  • できる限り母乳で育てる
  • 親と別のベッド(布団)で寝る

これらに気をつけて悲しい事故を防ぎましょう。

体調チェック

赤ちゃんの様子がいつもと違わないか、日々チェックします。

元気があるか、便の色、肌の状態、母乳(ミルク)の飲み具合、顔色、呼吸等を確認します。

育児環境

タバコはもちろん厳禁です。

寝かせる環境も、赤ちゃんが窒息する可能性のあるものを近くに置いたり、物が落ちてきたりしないようにします。

予防接種

新生児の間は予防接種はありませんが、生後6週から接種可能なものもありますので、かかりつけの小児科医院と相談して予防接種の計画を立てておきましょう。

困ったら

赤ちゃんの世話をしていて、わからないことや不安なこと、大変なことがあると思います。

身内の方の協力や、外部のサービスを利用して、一人で抱え込まないようにしましょう。

市区町村の相談窓口

市区町村には子育て課(部)があります。

病気の場合や緊急性のある場合は、病院や119に連絡したほうがよいですが、それ以外のわからないこと、不安なこと、困ったこと等は市区町村の電話窓口でも相談できます。

「育児 相談 〇〇(地域)」等で検索してみましょう。

産後ヘルパー

産後は、体調も万全でない中、慣れない育児をしなければなりません。

頻回の授乳で睡眠不足になったり、慣れない育児のストレスで、どうしようもなくつらくなることもよくあります。

特に身内の手を借りることができない状況にある方は、一人でつらさを抱え込んでしまいがちです。

育児は一人で全てやらなくても大丈夫

身体的・精神的につらいときは、他の人の手を借りるようにしましょう。

育児から少し解放される時間を持つだけでも、かなり変わってきます。

自治体がやっている産後ヘルパーや民間の産後ヘルパーもありますので、「子育て ヘルパー 〇〇(地域)」等で検索してみましょう。

うまく見つけられなければ、住んでいる地域の子育て相談窓口で聞いても良いでしょう。

身内の協力や外部のサービスを上手く利用して、自分にも、赤ちゃんにもよい育児ライフになるようにしましょう。



[参考資料]
・てるてる天使の育児百科 ハッピーベビーケア
・小児科医がママとパパに贈る心と体を育む子育ての本 すくすく赤ちゃん

・0〜3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス