生後1ヶ月くらいまでは、まだ体の抵抗力が弱いため、大人とは別に入浴させます。
赤ちゃんは新陳代謝が活発で、汗もよくかきますし、ウンチやおしっこもたくさんして体が汚れやすいので、沐浴は基本的に毎日するようにしましょう。
沐浴をしないほうがいい場合
ただし、沐浴をしないほうがいい場合もあります。
- 授乳後30分以内
- 夜8時以降
- 熱がある場合
- 赤ちゃんの機嫌が良くない
- 赤ちゃんの様子がいつもと違う
- 予防接種直後
授乳直後の入浴は消化に悪く、吐き戻してしまうこともあるので、授乳後30分以上経ってから沐浴させるようにします。
赤ちゃんの生活リズムを崩さないように、沐浴はなるべく同じ時間にするようにし、夜8時までに終わらせるようにします。
熱がある場合や機嫌が良くない場合は、沐浴は避け、お湯で濡らしたタオルで体を拭いてあげます。
予防接種当日のお風呂は問題ありませんが、予防接種直後1時間はお風呂に入れないようにしましょう。
沐浴の準備
沐浴をする場所
- 浴室や洗面所
- 室温は20℃以上
- 準備するもの
- 沐浴布
- 赤ちゃん用の石鹸
- バスタオル
- ガーゼ
- ベビーバスに38〜40℃のお湯を張り、ガーゼをつけておく
- 洗面器に同じ温度のお湯を張っておく(最後のかけ湯にシャワーを使う場合は不要)
浴室や洗面所で行う方が多いようですが、衛生的かつ水がはねたりこぼれたりしても問題ない場所で行いましょう。
慣れるまでは湯温計で温度を測って38〜40℃のお湯を入れるようにしましょう。
ベビーバスに入れるお湯の量は、赤ちゃんをお湯に入れたときに赤ちゃんの胸のあたりまでくる程度にします。
冬場の浴室や洗面所は冷えるので、あらかじめ浴室で熱いシャワーを使うなどして暖めておきましょう。
熱いシャワーを使った場合、必ずシャワーの温度を戻して40℃くらいのお湯が出るようになったことを確認しましょう。
沐浴後に着替え、お手入れをする場所
- 室温は20℃以上
- 着替えとオムツを広げて準備しておく
- 赤ちゃんのお手入れ道具を準備しておく
- 赤ちゃん用の綿棒
- 赤ちゃん用の保湿剤
- お薬
着替えは肌着の袖を上着の袖に通しておいて、そのまま赤ちゃんを上に寝かせて、着せられるように準備しておきます。
湯上り後の赤ちゃんを冷やさないように、準備を整えておきましょう。
沐浴のやり方
赤ちゃんが疲れないように、10分以内で沐浴を終わらせるようにしましょう。
また、赤ちゃんを洗うときには、お湯をかけるときには、ベビーバスのお湯をすくって赤ちゃんにかけるか、ガーゼを濡らして洗い流してあげます。
洗う際、目と口の周り以外は赤ちゃん用石鹸を使って洗ってあげます。
赤ちゃんをお湯に入れる
- お湯の温度が38〜40℃になっていることを確認する
- 赤ちゃんの服を脱がせ、オムツを外す
- 赤ちゃんに沐浴布をかける
- 赤ちゃんをゆっくりお湯に入れる
オムツを外した際、オムツが汚れているようであれば、おしり拭きできれいに拭いてあげます。
服を脱がせたら、沐浴布をお腹の上にかけてあげます。
右利きの人は、赤ちゃんの首が左手の親指と人差指の間に乗るようにして支え、右手で赤ちゃんのお尻を支えて、足先からお湯に入れます(左利きの人は逆に読み替えてください)。
お湯に触れたとき、赤ちゃんはびっくりして急に動いたりしますが、落とさないようにしっかり支えましょう。
少しずつ入れてあげれば徐々に落ち着いてきます。
お湯に入れたら、手でお湯をすくって赤ちゃんの肩から胸にかけてあげます。
赤ちゃんの体を洗う
●顔
- 絞ったガーゼで目を拭く
- 絞った鼻筋を拭く
- おでこ、こめかみ、頬、顎を洗う
ガーゼで拭く際、拭くたびに使うガーゼの場所を変えてあげます。
目を拭くときには目頭→目尻に向かって拭いてあげます。
鼻筋を拭くときは眉間→鼻先に向かって拭いてあげます。
目の周りや口の周り以外で、乳児湿疹が出ている場所があれば、そこは石鹸を泡立てて洗ってあげます。
目や口に石鹸が入らないように気をつけて、手やガーゼで洗い流します。
●頭
- 髪にお湯をかけて濡らす
- 赤ちゃん用石鹸を泡立てて赤ちゃんの頭を洗う
後ろに洗い流すようにして、お湯や石鹸の泡が顔にかからないように注意しながら洗います。
●首
首のシワが重なっている部分に親指と人指し指を入れて洗ってあげます。
●腕
人差し指と親指で輪っかを作ってくるくると腕の付け根から指先に向かって洗っていきます。
指先まで洗ったら、赤ちゃんが泡のついた手を口に入れないように、先に指先をお湯の中に入れてすすぎます。
指の間も自分の指を入れて洗ってあげます。
脇の下も汚れやすいので、しっかり洗ってあげます。
●お腹
へその緒が残っているうちは、おへその部分はささっと洗うぐらいであまりいじらないようにします。
へその緒が取れたら、おへその部分に血や汚れが溜まりやすくなるので、指の腹できれいにしてあげます。
●お股
ひだの間やシワの部分は汚れが溜まりやすいので、指の腹で丁寧に洗ってあげましょう。
●足
腕と同じように、親指と人指し指で輪っかを作ってくるくると足の付根から足の指に向かって洗っていきます。
足の指の間も自分の指を入れて洗ってあげます。
●背中・おしり
- 首を支えている手と反対の手に赤ちゃんをもたれさせる
- 支えていた部分と背中、お尻を洗う
赤ちゃんを反対の手にもたれさせる際、(右利きの場合)赤ちゃんの左腕を自分の右手でつかみ、手首に赤ちゃんの胸のあたりを乗せ、赤ちゃんの右腕を自分の右手の上を通し、赤ちゃんが自分の右腕につかまるような格好にします。
赤ちゃんの顔がお湯につかないように注意しながら、左手で支えていた部分からお尻まで洗います。
肛門周辺は特に汚れているのでしっかり洗ってあげます。
●かけ湯
- 洗面器に入れておいたきれいなお湯の半分で、赤ちゃんの背中側を流す
- 再び赤ちゃんのお腹が上になるように持ち替える
- 残りの半分で赤ちゃんのお腹側を流す。
赤ちゃんの体を拭く
赤ちゃんの体が冷えないように、お湯から上がったらすぐにバスタオルで包み込みます。
そのまま、赤ちゃんの体をバスタオルで押し拭きします。
赤ちゃんの肌は弱いのでこすらないようにしましょう。
脇の下や首、太もものしわ等の拭きにくい部分もしっかり水気をとってあげます。
体を拭いているときにおしっこやウンチをする場合があるので、バスタオルの下は汚れても大丈夫なものを敷いておくことをおすすめします。
沐浴後のケア
●肌の保湿
- 全身にベビーローションを塗る
- 乾燥が気になる部分にはベビークリームを塗る
赤ちゃんの肌はバリア機能がまだ未熟なので、一年くらいは全身を保湿しておいたほうがよいです。
また、新生児のときから全身の保湿をすることでアトピー性皮膚炎の発症リスクを下げられるという研究もあるので、乾燥していないように見えても保湿はしておいたほうがよいです。
アトピー性皮膚炎の発症は他の食べ物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻結膜炎の始まりとなることも多いので、ここでしっかりアレルギー発症を予防しておきましょう。
乳児湿疹がある場合にも保湿だけ良くなる場合もあるので、まずは保湿して様子を見ましょう。
3、4日経っても良くならないようであれば、小児科を受診しましょう。
肌の保湿が終わったら、赤ちゃんにオムツをつけ、服を着させてあげます。
●耳の掃除
赤ちゃんの頭が動いて、耳の中を傷つけないように、頭を押さえて行います。
ベビー用綿棒を使って耳の入口の部分の水分と耳垢だけを優しくなぞって取るようにします。
赤ちゃんの耳はデリケートなので、奥の方はいじらないようにしましょう。
基本的には耳垢は自然に排出されるので、奥の方にあるものを無理に取る必要はないですが、気になるようであれば、耳鼻科でとってもらいましょう。
また、機嫌が悪く、嫌がるときには無理にしなくても大丈夫です。
●鼻の掃除
赤ちゃんの頭が動いて、鼻の中を傷つけないように、頭を押さえて行います。
耳と同様、奥の方には綿棒を入れないようにし、入口部分のみをくるっと一周させてきれいにしてあげます。
●おへその手入れ
へその緒が取れるまでは、消毒液に付けた綿棒でへその緒がお腹とくっついている部分を消毒します。
へその緒が取れたら、綿棒で水分をとるようにし、血や汚れがつかなくなれば、特に手入れは不要です。
沐浴の際に、よく洗ってあげましょう。
●髪の毛
櫛やブラシでとかします。なければ手ぐしでもよいでしょう。
●爪
カーブになるように、少しずつ切っていきます。
切った後はバリ(角)が残るので、赤ちゃん用の爪やすりでバリをとってあげましょう。
バリが残っていると、赤ちゃんが顔を掻いたときにすぐ傷になってしまいます。
●水分補給
沐浴後は、赤ちゃんの喉が乾いているので、沐浴後のケアが終わったら母乳かミルク、または白湯を飲ませてあげましょう。
沐浴の注意点まとめ
細かい注意点はあげるときりがありませんが、大きくまとめるとこんな感じです。
- 授乳直後、体調の悪い時は沐浴はしない
- 準備をしっかり整えてから行い、赤ちゃんを湯冷めさせないようにする
- 赤ちゃんを落とさないようにちゃんと支える
- 赤ちゃんの肌をゴシゴシこすらない
- 赤ちゃんの目、口に石鹸の泡が入らないようにする
- シワの間まで丁寧に洗う
- 石けん分が残らないように丁寧に洗い流す
- 沐浴後、全身を保湿する