どうも、ぱぱをです。

子供の学費シリーズ、第三弾は「何で貯めるか」です。

第一弾で、幼稚園から高校までの学費は月の収入から出せる範囲に納めるようにし、貯めるのは高校卒業後(大学等)の学費にするべき、ということを書きました。

第一弾→子供の学費っていくらかかる?(幼稚園〜高校編)

第二弾では、大学に行くかわからない場合は500万、大学に行かせる予定なら660万は高校卒業するまでに貯めておきたい、そしてなるべく早く貯めはじめるのがよいと書きました。

第二弾→子供の学費っていくらかかる?(専門学校・大学編)

そして第三弾では、各自の学費の目標額をどうやって貯めるのがよいのか、について書いていきます。

高校卒業後の学費は500万、または660万が目標

学費の貯め方を考える上で、いつまでにいくら貯める必要があるのか、ということはとても重要なので、前の記事の繰り返しになりますが、念の為確認しておきます。

高校卒業後に、子供が大学に行くかもしれないし、そうでないかもしれないのであれば、高校卒業までに500万用意できれば、70%くらいの進路でかかる学費をカバーできます

しかし、高校卒業後に子供を大学に行かせるつもりであれば、500万だと50%くらいの進路しかカバーできません。

大学に行かせるのであれば、660万を高校卒業までに用意しておくと、85%の進路をカバーできます(奨学金を利用する場合。利用しない場合は820万)。

なお、前提として、

  • 在学中に月約2万円を別途学費として、親が確保する
  • 年間約40万円をバイトや奨学金で、本人が確保する

が必要になります。

詳しくは 子供の学費っていくらかかる?(専門学校・大学編) を読んでみてください。

保険で学費を貯める

保険で学費(教育資金)を貯める一番のメリットは、親が亡くなった場合のリスクに備えられるという点です。

学資保険、低解約返戻金型終身保険のどちらであっても、基本的に保険料払込免除特約というものがついており、契約者が亡くなったり、特定の障害状態になった場合には、残りの支払いが免除されて、満期に満額の保険金を受け取ることができます

なので、親が亡くなったために進学を諦めなければならなくなるというようなケースを防ぐことができます。

以下にあげた2つの保険の違いは、元本割れ(払い込んだ金額よりも戻ってくるお金が少なくなること)のリスクや返戻率(へんれいりつ。解約・満期時に戻ってくるお金)の違いが主になります。

学資保険で学費を貯める

一昔前は子供の学費は学資保険で貯めるのが主流でしたが、最近は返戻率が低くなってきたため、他の方法を選ぶ人も増えてきています。

とはいえ、学費を貯めるのに学資保険を使う人はまだ半数近くいるようです。

学資保険とは

子供の教育資金を貯めるための貯蓄型の保険です。

貯蓄型の保険とは、簡単に言うと、保険の満期時にそれまでに支払った保険料+αで保険金が受け取れる保険です。

なので、例えば、18年間かけて480万円を保険料として払い込んで、満期時に500万円受け取れる、という感じです。

ただし、教育資金目的なので、被保険者である子供の年齢制限(子供が5歳になるまでに支払いを始める等)があったりします。

学資保険はリスク回避に優れる

学資保険の良いところは、まずは保険料払込免除特約があるため、契約者(親)の死亡等に備えられるという点です。

また、運用性は低いですが、支払総額に対して、5%程度プラスされた金額を保険金として受け取れます。

なので、リスクを回避しながら少しずつ貯めていきたいという人には向いています

学資保険は運用性が低く、解約の元本割れリスクが高い

2020年現在、学資保険の返戻率は5〜6%程度です。

従って、保険金額を500万円とするなら、保険料の合計払込額は470万円くらいです。

なので全額払い込んだ場合の+α分は30万円ということになります。

定期預金等に比べればましですが、18年かけて5〜6%しかプラスが生まれないというのは、後の積立投資に比べるとかなり運用性は低いです。

また、学資保険の中途解約時の返戻率は、支払い年数が経つにつれて上がっていきますが、解約時期が早いと70〜80%ということもあります

つまり、10年間毎月2万円払ったけど、やっぱり解約したいという場合、返戻率が80%なら支払い済み保険料240万円のうち、192万円しか返ってこないということです。

なので、途中で解約して他の用途に使う可能性が高い人や、お金を運用して増やしたいという人には向いていません

低解約返戻金型終身保険で学費を貯める

万が一というのは、なにも親の死亡や障害だけではありません。

例えば身内の病気や事業で急にお金が必要になったときに、保険を解約して資金を調達するという場合もあると思います。

しかし、保険の解約時に元本割れをすることがあります。

低解約返戻金型終身保険は、その元本割れのリスクが他の保険に比べて少なくなっています

低解約返戻金型終身保険とは

まず終身保険とは、契約者が亡くなったときに、被保険者が保険金を受け取れる保険です。

「低解約返戻金型」終身保険は、通常の終身保険に比べて早めに保険料の支払いを終えるタイプの終身保険で、保険料の支払いを終えたあとは返戻率が高くなっていくというものです(学資保険は支払いが終わっても満期になるまで返戻率が100%以下のことが多いです)。

従って、例えば10年間で毎月4万円の保険料を払って、総額480万円の保険料の支払いを終えた場合、12年目に解約したとしても返戻率が102%等になっており、約490万円が返ってきます。

低解約返戻金型終身保険は柔軟でリスク回避にも優れる

低解約返戻金型終身保険の良いところは、学資保険と同じく保険料払込免除特約があるため、契約者(親)の死亡等に備えられるという点です。

また、保険料を払い終わったあとは、ほぼ元本割れリスクがなくなるため、学資保険よりも柔軟に資産として利用ができます

返戻率は、早めに保険料の支払いを終えるようにすれば、学資保険とそこまで変わりはないですが、支払期間の設定が15年とか長くなると、学資保険よりも返戻率は下がってしまします。

なので、短期間で多額の積立ができて、リスクを避けたい人には向いています

低解約返戻金型終身保険は支払い完了までの返戻率が低く、運用性がそこまで高くない

低解約返戻金型終身保険は、保険料を支払い終わった後の返戻率が高めに設定されている分、保険料支払い途中の返戻率は学資保険よりも低いことが多いです。

また、早めに保険料の支払いを終えれば、学資保険よりも返戻率を高くすることは可能ですが、それでも高くて20%くらいなので、積立投資に比べると運用性は低いです。

なので、毎月少しずつしか保険料を支払えないという人や、お金を運用して増やしたいという人には向いていません

積立預金(or財形貯蓄)で学費を貯める

銀行の金利が高かった頃は、積立の定期預金等で学費を貯める人もいましたが、最近の金利の低さから少し減ってきています。

それでも、銀行預金で積み立てるメリットがなくなったわけでは全然ないので、どういうメリットが有るか知っておくと良いと思います。

学資保険と同じく、半数近くの人が銀行預金で子供の学費を貯めているようです。

積立預金・財形貯蓄とは

定期的に銀行の積立口座に一定額を積み立てていく貯金の仕方で、一定期間後に引き出しが可能になります。

財形貯蓄と積立預金の大きな違いは、財形貯蓄が給料から天引きされるのに対して、積立預金は銀行口座から引き落とされる点です(他は大きく違いません)。

入金してすぐには引き出せない代わりに、普通預金に比べて金利が少し高めに設定されています

例えば、2020年のみずほ銀行の普通預金の金利は0.001%ですが、定期預金の金利は0.002%になっています(ほとんど変わりませんね。。)。

ただし、満期前に解約すると金利は0%になる場合があります。

積立預金は元本割れがない

積立預金は、入金してすぐには引き出せない代わりに、普通預金に比べて金利が少し高めに設定されているだけで、それ以外は普通の口座の預金とほとんど変わりません。

なので、途中で解約しても、高めの金利が適用されないことはあっても戻ってくる金額が、預け入れた金額よりも減ることは基本的にありません。

なので、いざというとき、いつでも貯めた額をそのまま使えるようにしておきたいという人には向いています

積立預金はリスク回避や運用性がない

積立預金は、中身はただの貯金なので、途中で契約者が亡くなったとしても、保険のようにその後の支払い無しで大金を受け取れたりということはありません。

また、金利がほぼ0なので、預けた金額よりも大きく増えるということはまずありません

100万円を10年預けても、金利0.002%だと利息は毎年200円なので、10年で2000円だけです。

なので、親の死亡リスクに備えたいという人やお金を増やしたいという人には向いていません

積立投資で学費を貯める

投資というと先物取引やFX、株などのリスクが高いものをイメージして敬遠する人もいますが(私もそうでした)、積立投資は長期間積み立て続けることでかなりリスクを低く抑えながら、財産を増やすことができます。

今は老後の資金作りも年金だけに頼らず、個人がしなければならない時代ですので、リスクの低い積立投資をはじめる人も増えてきています

積立投資とは

積立投資とは、幾つかの金融商品の組み合わせを定期的に一定額購入する投資のやり方です。

いろんな金融商品に資産を分散することで、特定の金融商品の価値が下がっても資産を大きく減らさないようにします。

また、長期間、定期的に一定額を購入することで、安いときにたくさん買い、高いときには少なく買うことができ、長期的に利益を出しやすくします。

リスクを低く抑えながら、長期的に利益が出ることを目指すもので、投資初心者でも始めやすくなっています。

積立投資は運用性が格段に高い

どの金融商品をどのくらいの比率で買うかにもよりますが、年間の利回りは平均して3〜5%くらいなので、保険商品が15年かけて5%くらいしか増えないのに比べて大きく資産を増やすことができます。

たとえば、私が利用しているウェルスナビという自動積立アプリのシミュレーションでは、12年間かけて積み立てた元本442万円が、約763万円分の金融資産になったりします(どの程度リスクを取るかによって結果は異なります)。

長く積み立てるほど、リスクは減り、利益は安定して増えていくので、早いうちから積み立てることでさらに資産の増加が見込めます。

なので、多少リスクを取りながらでも資産を増やしていきたい人には向いています

積立投資は元本割れリスクや為替リスクがある

積立投資は金融商品なので、当然投資リスクががあります。

現金化するタイミングでの株価によっては元本割れする可能性もありますし、外国株の投資信託であれば、円相場の状況次第で、現金化によって資産が目減りする可能性もあります

なので、現金化のタイミングによって元本割れするのが嫌な人や、投資のリスクを負いたくない人には向いていません

自分たちにあった学費の貯め方を選ぶ

もちろん他にも学費を貯める方法はありますが、教育費の貯め方上位5位は、学資保険、銀行預金、財形貯蓄、その他の保険、金融投資となっています(ソニー生命 子供の教育資金に関するアンケート2019)。

割合としては、学資保険と銀行預金を半分くらいの人がやっていて、他は10人に1人くらいという感じです。

でも、大事なのは、他の人がどうやっているか、ではなく、自分はどうするのが良いのかを考えることです。

それぞれの貯め方の特徴を点数化

まずは、上にあげた4つの貯め方の特徴を、

 ①親の死亡や障害によって収入が激減するリスクに対する備えがあるか

 ②貯めたお金を自由に現金化して目減りなく使用できるか

 ③預けたお金が運用によって増えるか

という3つの観点について、私の独断で点数化してみました(5点満点)。

学資保険低解約返戻金型
終身保険
積立預金
(財形貯蓄)
積立投資
死亡リスクへの備え5511
お金の自由度2354
運用性22.515

死亡リスクへの備え

保険商品は、保険料払込免除特約があるためどちらも「5」にしています

積立預金と積立投資は、積立している人が亡くなったらそのまま積立が終わるだけで、その後何もプラスがないため「1」にしています。

お金の自由度

学資保険は解約時の元本割れ期間が長く、満期時の保険金の受け取りも時期が入学時等に限定されているため「2」にしています。

低解約返戻金型終身保険は、早めに保険料の支払いを終えることで、その後の元本割れがほぼなくなり、いつでも解約して現金化できるため「3」にしています。

積立預金は積立後、半年くらい経てば解約して積立金を下ろすこともできるので「5」にしています

積立投資は、その時の株式市場や為替相場の状況次第で元本割れする可能性もありますが、現金化する少し前から状況を確認しておくことで元本割れを避けることもできるので「4」にしています。

運用性

学資保険については、良くてプラス6%程度なので、「2」、低解約返戻金型終身保険は早めに保険料の支払いを終えることでプラス20%くらいになる可能性もあるので「2.5」にしています。

積立預金は、ほぼ増えないので「1」です。

積立投資は、これまで通りの傾向が続けば18年間で元本が倍になることも十分に有り得るので「5」にしています

リスクを抑えたい人は保険がおすすめ

学費の支払い主が事故や病気で働けなくなるリスクを重視する人には、保険商品がおすすめです。

今お金がある人には低解約返戻金型終身保険がおすすめ

家計に少し余裕があって、短期間で多額の保険料を支払えるのであれば、学資保険よりも自由が効きますし、返戻率も高くなる可能性があるので、低解約返戻金型終身保険の方がおすすめです。

例えば、毎月8万円ずつ払って5年間で480万円支払えるのであれば、低解約返戻金型終身保険の方がいいかもしれません。

今お金に余裕がない人には学資保険がおすすめ

逆に家計に余裕がなく、少しずつ長期間かけて保険料を支払うほうがよい場合は、解約時の返戻率が高いので学資保険の方がおすすめです。

例えば、毎月2万2千円程度の支払いで18年かけて480万円を支払う方がよいのであれば、学資保険の方がおすすめです。

元本割れを避けて、いつでも使いたい人は積立預金がおすすめ

一応学費として貯めてはいるものの、他の預貯金がなく、何かあったら解約する可能性が高いという人は、解約時に元本割れのない積立預金や財形貯蓄がおすすめです

給料が入るとすぐ使っちゃう人には財形貯蓄がおすすめ

給料が口座に振り込まれたあとは、いつの間にかなくなっていて、自分の意志でなかなか貯金できないというという人には、給料天引きの財形貯蓄がおすすめです。

貯蓄はできるが月によって選びたい人には積立預金がおすすめ

財形貯蓄だと給料から天引きされてしまうため、有無を言わさず毎月貯蓄することになりますが、月によっては支出が多く、貯蓄したくない時があるという人は積立預金がおすすめです。

積立預金は引き落とし口座にお金があれば積み立てますが、そうでなければその月は積み立てないようにできます。

リスク承知でお金を増やしたい人は積立投資がおすすめ

貯蓄は別にあって、余裕資金を増やしながら学費にもあてたいという人には積立投資がおすすめです

投資はよくわからないから全部任せたい人には投資一任型のロボアドバイザーがおすすめ

投資についてよくわからないので、全部おまかせでそこそこ増やしてくれたらそれでいいという人には投資一任型のロボアドバイザーがおすすめです。

幾つかの質問に答えるだけでプランを選定し、毎月投資する額を決めるだけで、勝手に良い感じに金融商品を買ってくれます。

自分で調べてなるべく利益を増やしたいなら積立NISAがおすすめ

自分である程度調べて銘柄を選べるという人には積立NISAがおすすめです。

積立NISAは通常であれば、利益や配当にかかる約20%の税金がかからないため、利益を総取りできます。

組み合わせてもOK

もちろん幾つかの貯め方を組み合わせても良いですし、そうしている人も結構いるようです。

例えば、最低でも500万は貯めたいので、そこは学資保険にして、他はできる限り増やしたいので積立投資にするという方法もあります。

あるいは、貯金が少ないのでまずは200万円を目標に積立預金をして、300万円は学資保険にして、さらに毎月1000円だけ積立投資に回すというように全部を組み合わせてもOKです。

現金として確保しておきたい分は積立預金にして、リスク回避して貯めたい分は保険を使い、余裕資金で積立投資をするというが、個人的にはよいように思います。

いずれにせよ、各家庭でしっかり相談して、子供の学費を貯めておかないと、子供が進学したいと言ったときに後悔することになります

足りない場合、教育ローンもある

子供一人ならなんとかなっても、二人目、三人目ともなると、同じ額を貯めるのはなかなか大変だと思います。

奨学金や授業料免除等をフル活用しても足りない場合には、多少利息がかかりますが、教育ローンという手もあります。

できる限り子供には希望の進路に進ませてあげたいと思いますので、そのためにできることは早いうちから始めておくほうが絶対に良いです。

気づくのが遅いと最終的に手遅れになってしまうこともあるので、早め早めで動きましょう

ちなみに我が家の学費のため方もこちらで公開しています!
我が家の学費の貯め方公開します

子供の学費っていくらかかる?(幼稚園〜高校編)
子供の学費っていくらかかる?(専門学校・大学編)